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November 4, 2018comment(0)

漫画「ヘルプマン!」と祖母とわたし

老人介護というテーマ 「ヘルプマン!」という漫画をご存じでしょうか。老人介護をテーマにした漫画で、ストーリーに出てくる登場人物の中には実在する人たちをモデルにしているものもあるようです。介護というテーマのため、つらい話も多く、涙せずには読めない内容ばかりですが、これからどんどんと高齢者が増える時代。老人介護については誰も他人事では済まされないテーマといえるのではないでしょうか。   私の背景 「ヘルプマン!」のことを書くにあたって私の周りで起きた出来事を簡単にお話させていただきます。私は今年祖母を亡くしました。ずっと他人事だった介護や人の死についてある日突然考えさせられる環境におかれました。なんとなく考えていたものとは違う現実に戸惑いながらも、祖母の最期は穏やかなものでした。そして家族のことを考えました。次は自分が親を見送る番なのだなと、覚悟をしなければならないときが近づいているのだと感じました。人はいつどうなるか分からないからこそ、無知であることが怖いと感じます。けれどどこまで知れば安心できるのかといえば、課題は果てしなくあるでしょう。この漫画は他人事のような世界が自分の身に起きたとき、ただうろたえるだけでなく、自分にも何かできることがあるかもしれないと問いかけてくれているように感じます。   突きつけられる現実 ジジババのために日々かけまわる破天荒な青年、恩田百太郎(おんだももたろう)。彼のどこまでもまっすぐでピュアな性格が、時に重くのしかかる介護というテーマとのバランスをとっています。 介護を受ける立場の人間と介護をする立場の人間。いつまで続くかも分からない日々の介護の様子が生々しく描かれています。介護は受ける側にも介護する側にも残酷な仕打ちをすることがあります。いつの間にか感情というものをどこかに置き忘れてきたかのような毎日。心身の疲労。仕事や社会と遠ざかり孤立していく生活。介護を通して変化してゆくそういった暗く感じる面もこの漫画はありのままに描き出しています。絶望しかないかのようにも思える世界が繰り広げられますが、最期には立場に関わらずどちらもひとりの人間であるという、当たり前のようで忘れてしまう大切なことを、この漫画は思い出させてくれます。   制度という壁 私もこの漫画を読むまで介護制度についてほとんど触れる機会がありませんでした。亡くなった祖母もずっと元気だったので、私自身「老人」はいると思っていても「介護」というものへの意識はとても低かったのだと思います。祖母が倒れたとき真っ先に思い出したのがこの「ヘルプマン!」でした。以前から家族が持っていたので、たまたま暇なときに手にとり、制度というもののあり方やむずかしさについて「大変なんだなぁ」とは思いながら読んでいました。ただ、読み進めるあいだにも変化していく制度に、こんなに変わるものなの?とついていけず、戸惑いを覚えたのも事実です。介護制度が高齢者の立場にたって考えられているのか疑問に思うこともあります。高齢者の立場からつくりあげるだけでは成立しないことも多々あるのでしょうが…。   シミュレーションのおかげ 祖母が倒れた、介護生活になるかもしれないと思ったとき、あの漫画に描いてあったいろんな出来事がこれから起こるのか、と思いました。「ヘルプマン!」を読んだあとはいつも老人介護のシミュレーションを受けたような気分になります。妙な自信というか覚悟というか、そんなものを感じさせてくれるのです。実際自分の身に起こると当然「漫画のまま」とはいかないのですが「ヘルプマン!」を読んでいたおかげで、祖母に起きた出来事を意外と冷静に受け止めることができたと思っています。ただ、それは祖母だからであって、親が同じ立場になったときはもっと動揺するかもしれません。きっとするでしょう。それでも、この漫画を通して得た予備知識は邪魔にならないものなんだろうと感じています。   生々しく描かれているからこそ、リアルなものだと痛感させられる「ヘルプマン!」の世界。読んでいてとても悲しくつらくなりますが、だからこそ意味があるのだと思います。実生活で、これからは自分の身内が、または自分自身が介護と関わることになるでしょう。高齢化が進む現在、これが他人事のまま終われるという人は少ないはずです。リアルだからこその人のぬくもりというものをより感じられる作品です。

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